被爆者の生の声
前回の帰省時に、父から原稿用紙20数枚にも及ぶ被爆体験記を手渡されました。
父は88歳。
今のうちに被爆者の証言を遺しておきたいと思ったのでしょう。
wordに入力し直し、小冊子にするよう仰せつかったのです。
父の被爆談は、2008年か2009年の朝日新聞長崎版に数日に分けて載ったことがあります。随分後になって、父がそのコピーを送ってくれました。
でもそれが文庫に収められていることは、今回初めて知りました。
父の体験記の裏付けを取るために出向いた図書館で、原爆関係の資料を検索していたら、ヒットしたのです。もちろんすぐに借りました。
それが《ナガサキノート》ー若手記者による聞き書きの形をとった、31名の被爆者体験談集です。
駆け出しの若手記者とはいえ、プロの手によるものですから、筆力はそれなりで、読み応えのあるものになっています。
父のページは「白い落下傘」というタイトルになっていました。うまくつけたものだと思います。
数日にわたるインタビューの中から要点を抽出し、臨場感溢れる文章、今回手渡された父の体験記(「作文」ですね)と前半部分は内容的にほぼ同じです。
ナガサキノート2も出ているのですが、なぜか絶版(?)になっているようで、アマゾンでは中古本しか入手できません。しかも5000円近い高額。
体験者の写真も載っていたそうなので、本人は承諾しても、のちに遺族が難色を示したのかもしれませんね。
美輪明宏さんの体験談もおさめられているそうで、読んでみたい気はします。