ひと月ぶり!
プータロー生活でヒマ持て余しているはずなのに、こちらのブログのアップがなかなかできず、約ひと月ぶりとなってしまいました。
その間、読書していないわけじゃあなかったのですが、紹介文をうまくまとめるのがつい面倒で・・・。
で、今日の本は、随分前に読んだ本になります。
『宇宙から帰ってきた日本人』の中で土井隆雄さんが触れていた松沢教授の本です。
この本についてはアマゾンレビューも書いています。よかったらそちらも読んでくださいね。
とっても嬉しいことにトップレビューになっていたんです。
(「役に立った」を押して下さった10人の皆様、ありがとうございます!)
もっともレビュアーはたったの6人ですけれど・・・。でもそのうちのお二人はトップ500レビュアー、トップ1000レビュアーの、いわばレビューのプロ。その方々を抑えて、ですから、やっぱり嬉しさ一入です。
以下はレビューと重複する点も出てきますが、まずは「はじめに」からの引用。
この本では、霊長類の研究を通じて見えてきた、人間の心の進化についてお話ししたいと思います。霊長類学という学問はサルの研究ですが、それだけではありません。人間とそれ以外のサルの仲間を研究することで、そもそも「人間とは何か」を問うことから生まれてきた学問です。
ね!これだけでもワクワク・ゾクゾクしてきませんか?
チンパンジーは98.8%、ヒトと同じゲノムを持ち、ヒト属4種の中でも最も人に近い、まさに「進化の隣人」。そのチンパンジーを研究することで、ヒトの心の進化がみえてくるのではないか・・・
「心はどのような過程を経て今のわたしたちの心になったのでしょうか?そのためには過去の証拠を探るのではなく、現在も生き残っているものに焦点を当てた新しいアプローチが必要でしょう」
―それが霊長類学であること、その霊長類学を父に、心理学を母に新たに比較認知科学が生まれたということ。興味は尽きません。
人間がどうして今の姿になったのか。人間の心のはたらきを、わたしたちは内省、内観、つまり自分を見つめることができます。そうした心は、いつごろ、どうして芽生えたのでしょう。
心の進化をたどりたいと思います。
おこがましいけれど、私も全く同感です。
このほかにも興味深いエピソードも満載でした。
はじめてアイに会った日の驚きや「ナインフィンガー」の話。
チンパンジーと同属別種のボノボとの違い。暴力の起源。
「人間はチンパンジーとボノボのキメラ」等々。
(私的にはチンパンジー的な人間とボノボ的な人間の2種類がいるような気がしてなりませんが)
そうして最終章にて人間を人間たらしめているのは「想像するちから」だと力説されています。
「いま ここ わたし」に生きているのがチンパンジーだとしたら、「今だけでなく、ここだけでなく、私のことだけでなく」生きているのが人間であり、「想像するちから」こそ人間の持つユニークな心の働きなのだと。
実は私は「心」という単語はあまり好きではありません。
でも「心」としかいいようがないですもんね。
そもそもどうして《CHNOPSの塊に過ぎない私》に心があるのか、意識が生まれたのか・・・そこのところはクリアできていないのです。
(簡単にクリアできるとは思えませんが)
でもまぁ、ここではそこは置いておくとして、とりあえず意識の萌芽が見られた後、どのようにして人間の心にまで進化したのか、僅か1.2%の違いのどこにその秘密があるのか・・・は近い将来、比較認知科学によって解明されるのかもしれませんね。