ちのっぷすの読書覚書

『!』と思った文章や琴線に触れた言葉のメモ集

ときめくニッポン職人図鑑その①

子ども向けと侮るなかれ!

2015年に動画メディア『ニッポン手仕事図鑑』を立ち上げられた大牧圭吾さんが作った本です。

表紙も含め、写真は使われておらず、どのページもイラストで紹介されています。

職人さん達の丁寧な仕事ぶりに、緻密で丁寧なイラストで応えた形でしょうか?

「多くの子どもたちに知って欲しい!」という大牧さんの意気込みが伝わってくるようです。

大牧さんの「はじめに」は全文掲載したいほど気持ちがこもっています。一部だけ引用させていただきますね。

(前略)わたしはこれまでに数えきれないほどの職人さんと出会いましたが、どの職人さんもすてきで、会うたびに心がときめきました。なぜなら、(中略)今に満足せず「もっとよいものをつくりたい!」とちょう戦し続けているその前向きな姿に胸が高鳴るのです。(中略)個性豊かな職人さんが仕上げる工芸品には、ひとつとして同じものがありません。同じデザイン、同じ形でも、それぞれが少しずつちがいます。だからこそ「これがいい!」と心がときめく一品を選ぶ楽しみがあります。

(中略)みなさんにもこの本で、そんな職人さんたちと出会うドキドキワクワクを感じてもらえるとうれしいです。

 それではさっそく、31人の職人さんに会いに行きましょう!

はい、ドキドキワクワク💖しながら、会いに行ってきましたよ。

職人技の知られざる世界を垣間見させてもらい、そのお人柄にも触れ、ホントに心が「ときめき」ました。

取り上げられているのは全国各地、31名の職人さんたち。その多くは30~40代の若い方たちで、しっかりと伝統の技を受け継ぎつつ、常に研究も怠りません。

「職人」という語感からは昔気質の頑固親父をイメージしますが、意外にも若い女性も多かったです。(SNS時代を反映しているからかもしれませんが)

表紙、裏表紙の裏(表2、表3)にも、職人さんたちの言葉が紹介されていて、これがまるで五行歌のよう。

おそらく「子どもたちへのひとこと」として、語ってくださった言葉だと思います。

まずは表2(表紙の裏も表紙と呼ぶのですね)から、いくつか引用しますね。

人が生み出す

無限の

モノの可能性。

未来のあなたが

生み出すモノは?!         筒描藍染職人 長田匡央さん

これなど、もうほんとに五行歌としてそのまま《南の風》誌に掲載させていただきたいくらい。

筒描藍染という手法も初めて知りました。お名前は「ながたまさお」さん。

ものづくりから、

自然や科学や人間、

伝統から歴史や文化を

学び楽しめるのが

伝統工芸です            南部鉄器職人 田山貴紘さん

これも含蓄のある言葉ですよね。本当にその通りだと思います。そういう世界に身を置いて、一心不乱に仕事に取り組めるってなんて素敵な生き方だろうと羨ましく思います。

歴史ある仕事が

生活に根づき

続いてほしい。

そして、その願いが

伝わればうれしいです        琉球びんがた職人 知念冬馬さん

大牧さんのこの本を通して、知念さんの願いも十分に伝わると思います。

表3より

額縁をつくることは、

まるで魔法を

かけるよう!

額縁を見つけたら

注目してください!         東京額縁職人 栗原大地さん

仕事への誇りが感じられますよね。額縁によって絵の雰囲気がガラリと変わることはよくありますし、額縁によって、まるで魔法のようにより一層引き立つことも。

好きなことを

続けてゆくと

自分にしか

できないことが

できる人になります         上田紬職人 小岩井カリナさん

私が出会った何人かのハンドメイド作家さんも同じようなことを仰っていました。

こういう世界の住人になれたら、どんなに素晴らしいだろう・・・私は憧れるだけで一生を終わりそうですが(そもそも「好きなこと」が何なのか、未だにわかっていないので)それでも、こうして本やメディアを通して「繋がる」ことができるだけでも幸せです!

1回ではご紹介しきれないので、次回にまわしますね。

日本のことでも、まだまだまだまだ知らないことがいっぱいあります。

でも、「知らないことがいっぱいある」って、「これから出会えるチャンスがある」ってこと。

ドキドキ・ワクワクを、コト切れる瞬間まで持ち続けていたいものです。