ちのっぷすの読書覚書

『!』と思った文章や琴線に触れた言葉のメモ集

超ひも理論とは何か

難しそうな書名ですが

Newton press の本。

書名だけだと、専門的な書籍のように思えるけれど、

本当に感動するサイエンス超入門!

となっており、さらに朱色のオビには

この世界の根源は「ひも」だったー

宇宙誕生の謎にせまる

とあります。初心者向け超入門編であることは分かりますが、ページを開いたところ軽い驚きが。

このテの書籍にしては、文字が大きく、文字数、行数とも少なくて、とても読みやすいのです。

同じ判型の他書籍と比べると文字数は【36:43】、行数は【15:18】、ページ当たりの文字数にして【540:774】、ざっと読むだけなら1時間もあれば十分でした。

老眼が進みつつある目にはとてもやさしい書物で、かつ内容的にも読みやすかったです。(「やさしく」書いてあっても、きちんと理解しようと思うと「やさしく」はありませんでしたが)

この本で「超ひも理論とは何か」、わかるわけではありませんが、「超入門!」とあるように、「入門の入門」、とっかかりには最適、中高生や私のようなシニアには超おススメです。

叶うことならこの本を中学生時に読み、さらにシニアになってから読み返せたらもっと面白いだろうと思えますが、物理学の進展を考えると、それはありえないですね。

私が『超ひも理論』のことを知ったのは、何十年も前、伊万里図書館に通っていた頃でしたが、「知った」といっても「理論名」を知ったというだけで、その点では小学生の頃に耳にした『相対性理論』と大して変わりはありません。(父が光速について語ってくれたことをよく覚えています。父自身も不思議に思ったからでしょう。)

本文中の数式は読めましたが、これも「読めた」というだけで、その数式が本当に意味するところが分かったわけではありません。

それでも、いろんな意味で「凄いなぁ」ということだけはしっかり頭に残ります。

いろんな意味、そう「この宇宙がこの形で存在する(ように見える)」こともですが、チンパンジーやボノボとDNAレベルでは僅か数パーセント(ゴリラとチンパンジーの差より小さい)しか違わないヒトが、宇宙の謎についてここまで迫ることができる凄さ。

以下、本文中よりいくつか引用させていただきます。まずp3 はじめにより

 「この世界は、いったい何でできているのだろうか?」(中略)

 現代物理学が到達した一つの仮説は、あらゆるものは「ひも」が集まってできている、というものです。にわかには信じがたいかもしれませんが、これこそが物理学の最先端理論である「超ひも理論」です。

第1章p15~16より

 超ひも理論では、素粒子の正体をひもだと考えます。(中略)

 また素粒子はたくさんの種類がありますが、ひもの種類は1種類だけだと考えられています。超ひも理論のひもはものすごいスピードで振動しているため、振動のしかたや巻き方などによって、1種類のひもがちがう種類の素粒子に見えると考えられているのです。

ちなみに、現在17種類の素粒子が知られていますが、これは今後増える可能性があるそうです。(とはいえ、新しい素粒子がいくつ発見されても、元は1種類のひも、ということなんですよね?!)

ところで、このひも、「太さがなく(太さゼロ)、断面は大きさのない『点』」なのだそうです。普通の感覚ではちょっと理解不能ですが、ただし長さはあって、10のマイナス35メートルなのだとか。(どうしてそんなことがわかるのかわからない)

この大きさがどれくらいかというと

 1個の原子を、私たちが住む天の川銀河の大きさに拡大してみましょう。 すると中にある原子核は、太陽系の果てくらいの大きさになります。(中略)さて、この時ひもはどれくらいの大きさになると思いますか?(中略)

 実は、これほどのスケールに拡大したとしても、ひもは単細胞生物のゾウリムシくらいのサイズにしかなりません。つまり、原子とひもを比べることは、天の川銀河とゾウリムシを比べることと同じようなものです。ですから、どのような技術をもってしても、ひもを見ることは決して不可能です。

吃驚仰天!どころの話じゃないですよね。よく「原子はスカスカで・・・」と原子核とその周りの電子を太陽系に擬えて説明してある図を見かけますが、そんなスケールをはるかに超えているのですね。

もう少し引用を続けます。少し飛んで、p92より

 宇宙は今から138億年前に誕生しました。誕生直後の宇宙は超高音・長高密度で、そのときは力はまだ四つにわかれていませんでした。宇宙誕生から10のマイナス43秒後にまず重力が分岐しました。次に10のマイナス42秒後に強い力が分岐します。そして最後に10のマイナス12秒後に電磁気力と弱い力が分かれました。四つの力を統一した理論は、四つの力が分かれる前の誕生直後の宇宙のようすを知る上でも欠かせないのです。現在の実験観測では、最後の電磁気力と弱い力の枝分かれの部分が確かめられています。

どうやったら、そんなことが「実験観測」できたのでしょうね~~~

「四つの力の統一」が物理学者の夢なのだと、伊万里図書館通いしていた頃から知ってはいましたが、その為のネックが「重力」だったということは改めて知りました。

重力は一番身近で「大きい」力のように感じますが、他の3つの力に比べて(いや、比べるべくもなく)桁違いに「小さい」そうです。大きく感じるのは、私たちや身の回りのものが地球に比べてはるかに小さいからだそう。なるほど~~、ですよね。

なぜ、重力だけがこうも極端に「小さい」のか、物理学者が直面している問題のひとつだそうですが、それを解決しそうな仮説も生まれているようです。

「超ひも理論」の研究から「9次元空間」「無数の宇宙の存在(多元宇宙)」が予言されているとも。

「多元宇宙」については、宜しければ過去ブログもご参照ください。<m(__)m>

最後に、はじめにp4の言葉で締めくくります。

  超ひも理論は未完成ですが、完成すれば、この宇宙で起きるありとあらゆる現象をたった一つの数式で説明できる「万物の理論」になり得ると考えられており、盛んに研究が行われているのです。

私が生きている間にその理論の完成を見ることができるでしょうか?

もう一歩のところまで迫っている感じはしますが、その一歩がこれまでの道のりと同じくらい長いのかもしれません。

また、「万物の理論」がわかったとして、ヒトは、人間は、どうするのだろう、どうなるのだろう?

「精神的革命」(「精神」と言う言葉は使いたくありませんが)とでも言うべきものが起こる可能性もありますし、逆に何も変わらないかもしれません。