ちのっぷすの読書覚書

『!』と思った文章や琴線に触れた言葉のメモ集

やっぱり英語をやりたい!

鳥飼久美子先生の本

これまでにも鳥飼先生の英語本は何冊も読んでいるのですが、読んだ直後はモチベーションアップするものの、毎回挫折。

今回もどうせそうなるだろうなぁと思いつつ、タイトルの「やっぱり」にやっぱり惹かれて、再々々々挑戦?!

武雄図書館の新刊本コーナーで借り、隣のゆめタウンで一気に読了。

内容の前に、まずシンクロニシティっぽい現象に欣喜雀躍しました。

というのも、前回取り上げた「わたしたちの親不孝介護」で対談されていた爆笑問題の太田光氏が、この本の中にも登場していたからです。

「太田光のつぶやき英語」という番組がNHKのEテレで放映されているそうですが、私は見たことも聞いたこともありませんでした。

「太田光の」とあるくらいですからMCはもちろん太田光氏、それから森川葵さん。(ごめんなさい、知らないタレントさんです)

その番組に解説者としてご出演なさっているのが鳥飼先生で、この本の中には番組にゲスト出演されたタレントさんのエピソードが満載でした。

私が知っているところでは、吹石一恵さんや小島よしおさん、ウエンツ瑛士さん、ケインコスギさんくらいでしたが、なかなか読みごたえがありました。

ここで、太田さんがらみの文章を引用しますね。

 コンテクストがどれだけ大きな役割を果たすかの例を、「漫才」で見てみましょう。

(中略)

 大谷選手は人間性も非の打ちどころがないと絶賛したうえで、WBCの日米決勝戦前に大谷選手が侍ジャパンのメンバーに対して「今は(メジャーリーグの有名選手への)憧れを捨てましょう」と語りかけたことに感動したと田中さんが言うと、太田さんが受けて「それを聞いて、メンバーが『おい、ダルビッシュ、ジュースを買ってこい』と言ったらしい」。

 これで、会場は爆笑の渦となりました。

 このボケは聴衆がコンテクストを共有しているから可笑しいわけで、目上や年上に対して「買ってこい」とは言わない、という言語文化的なコンテクストを知らないAIが英訳しても、笑えるかどうか。

ここで、シンクロニシティその②

図書館内のツタヤ書店に並んでいた本の中でひときわ目を引いたものがありました。

正確な記憶ではないですが、この本のオビに「浄土宗の僧侶でありLGBTQのメイクアップアーティスト」とあったのです。

お坊さんがLGBTQでも別に不思議はないですが、質素なイメージが強いのに化粧?それもメイクアップアーティスト?とそのギャップには驚いて・・・。

中は見ませんでしたが、ペラペラっと捲ってみればよかったとちょっと後悔。

次回、そうしてみよう。(立ち読みだけではすまず購入するかも?)

で、何がシンクロしたのかというと、この本の著者、西村宏堂さんも鳥飼先生の本の中で紹介されていたのです。

続いてシンクロニシティその③

鳥飼先生は「英語」を専攻されていたとばかり思っていたら、「ヒスパニア語科」、つまりスペイン語を専攻されていたそう。

私もスペイン語を聴講したことがあり、今でも機会があれば学び直したいと思っているほど。

で、武雄図書館でも一石三鳥を謳った本に飛びついたのです。

なんだか、こんな偶然って本当に嬉しい。

さて、鳥飼先生の新刊本に戻りましょうね。

この本は実はQ&A形式になっています。

Q 英語を習得しやすい人に、何か特徴はありますか

という質問に対して2ページ半に渡り、先生の回答が述べられています。

A 「こういう人は英語習得に向いている」という特徴は、とくにありません

としたうえで、ご自身の経験からまとめとして

 NHKの英語番組に長らく取り組んでいますけど、その都度、テーマが違うので、めちゃくちゃ調べます。調べたことの全部を放送で話す時間はないのですが、それでも調べておくと発言の内容に反映されるし、何より調べると、それまで知らなかったことを学べて面白いので、英語での情報を読んだり聞いたりして仕入れます。

 知的好奇心があれば、興味を持って学び続けられる。それさえあれば、どのような性格の人であれ、英語を習得することは可能です。

知的好奇心!!ーーあれも知りたい、これも知りたい、知ってどうなるわけでもないけれど、ただただ知りたい「知りたがり屋」の私としては大いに勇気づけられる一冊でした。